歌詞の内容・表現に関する傾向と対策(2)
「決まり文句」に関する傾向と対策
「燃えよドラゴンズ」の歌詞にはいわゆる「決まり文句」となっているものが多い。
その「決まり文句」についてまとめた。
- 強気の勝負
- 星野仙一に代表される表現。星野仙一が選手として登場する6作品(74,V2,77,79,82,名,名M)のうち、
74,
V2,
79
でこの表現が使われる。
79
では同じ明治大出身の高橋三千丈と一緒に表現される。
「燃えドラ30周年」となる04
では、原点回帰の意味もあって、やはり明治大出身の川上憲伸がこの表現で登場する。
- 華麗な守備
- 正岡真二に代表される表現。正岡と言えば「華麗な守備」。
正岡真二が選手として登場する5作品(74,V2,77,79,82)のうち、
74,
79,
82
でこの表現が使われる。また、往年の名選手編(名,名M)では、一枝修平がこの表現で紹介される。
- 期待のルーキー
- その年のルーキーが紹介される表現。
次の6曲で表現される。
登場する条件としては、ドラフト1位(川又米利のみドラフト外)、一年目に一軍定着があげられるが、新人以上の活躍をした場合や打者でレギュラーメンバーになったりした場合は、別の紹介のされ方をするので登場する条件は微妙な活躍度となる。
ただ、最近はあまり使われていない。
新人ながら「期待のルーキー」ではなく、別の紹介のされかたをした新人選手は下記の通り。
- 藤沢公也 (77年ドラフト1位、1年後入団)(79)
- 高橋三千丈 (78年ドラフト1位)(79)
- 水谷啓昭 (78年ドラフト3位)(79)
- 立浪和義 (87年ドラフト1位)(88)
- 小島弘務 (90年ドラフト1位)(91A,
91C)
- 森田幸一 (90年ドラフト5位)(91C)
- 佐藤秀樹 (92年ドラフト1位)(H5)
- 鶴田泰 (92年ドラフト2位)(H5)
- 川上憲伸 (97年ドラフト1位)(98)
- 福留孝介 (98年ドラフト1位)(99,99V)
- 岩瀬仁紀 (98年ドラフト2位)(99,99V)
- 朝倉健太 (99年ドラフト1位)(00)
- 山北茂利 (99年ドラフト3位)(00)
- 中田賢一 (04年ドラフト2巡目)(05)
- 金剛弘樹 (04年ドラフト9巡目)(05)
- 沢井道久 (04年ドラフト11巡目)(05)
- 樋口龍美 (04年ドラフト自由獲得枠)(05)
- 石井裕也 (04年ドラフト6巡目)(05)
- 藤井淳志 (05年大学生・社会人ドラフト3巡目)(06,06V)
- 新井良太 (05年大学生・社会人ドラフト4巡目)(06)
- 平田良介 (05年高校生ドラフト1巡目)(06)
- 浅尾拓也 (06年大学生・社会人ドラフト3巡目)(07)
- 堂上直倫 (06年高校生ドラフト1巡目)(07)
- 山内壮馬 (07年大学生・社会人ドラフト1巡目)(08)
- 大島洋平 (08年ドラフト5巡目)(10)
- 祖父江大輔 (13年ドラフト5巡目)(14)
- 又吉克樹 (13年ドラフト2巡目)(14)
- 根尾昂 (18年ドラフト1巡目)(19)
- 勝野昌慶 (18年ドラフト3巡目)(19)
- 鵜飼航丞 (21年ドラフト2巡目)(希)
- ブライト健太 (21年ドラフト1巡目)(希)
04の中村公治は「燃えドラ30周年」の原点回帰表現による登場である。
07では06年高校生ドラフト1巡目指名の堂上直倫が「堂上兄弟」で登場する。
- ミラクル
- 主に変化球投手の紹介に使われる。
曲 | 表現 | 選手 |
74 | 投法 | 松本幸行、渋谷幸春 |
79 | 投法 | 松本幸行、藤沢公也 |
82 | ガッツ | 石井昭男 |
88 | 左腕 | 杉本 正、米村 明 |
04 | 投法 | 山本昌広 |
82
だけは打者の石井昭男で「ミラクル」の表現が使われている。
04の山本昌広は「燃えドラ30周年」の原点回帰表現による登場である。
「君づけ」される選手
「燃えよドラゴンズ」に登場する選手は、よく「〜君」という形で紹介され、親しみある印象を与えている。
この「君づけ」される選手を調査した。
選手 | 曲 | 紹介 |
大島康徳 | 74 | 一発長打の大島君 |
江藤省三 | 74 | 代打男の江藤君 |
藤波行雄 | 74 | 期待のルーキー藤波君 |
江藤省三 | V2 | 代打男の江藤君 |
T.マーチン | V2 | 頼みの助っ人マーチン君 |
大島康徳 | V2 | 躍る若竜大島君 |
土屋正勝 | V2 | 期待のルーキー土屋君 |
田尾安志 | 77 | 上昇気流の田尾君に |
大島康徳 | 77 | 今年も一ぱつ大島君 |
正岡真二 | 77 | レギュラーダッシュだ正岡君 |
伊藤泰憲 | 77 | 飛び出せ藤波 伊藤君 |
伊藤泰憲 | 79 | 力のスイング伊藤君 |
石井昭男 | 79 | ガッツのかたまり石井君 |
藤波行雄 | 79 | ミートの天才藤波君 |
川又米利 | 79 | 期待のルーキー川又君 |
石井昭男 | 82 | ミラクルガッツの石井君 |
藤波行雄 | 82 | 天才ミートの藤波君 |
川又米利 | 82 | 生まれ変わった川又君 |
尾上 旭 | 82 | 期待のルーキー尾上君 |
大島洋平 | 10 | 俊足好打の大島くん |
英智 | 10 | 守備(まもり)は(岩崎達)英智くん |
82まではほとんどの楽曲で「君づけ」表現がされていた。それ以後、「燃えドラ30周年」の歌詞表現の原点回帰の04でも表現されていなかったが、10で大島洋平が28年ぶりに表現された。これは、はじめて74で「一発長打の大島君」と「君づけ」表現された「大島君」にちなんでの復活表現か。
「君づけ」表現がされなくなったのは、後年になるにつれ1曲当たりの登場選手数も増えている事も理由のひとつであろう。
登場選手を見ると代打陣が多い事が分かる。
8番に関する傾向と対策
「燃えよドラゴンズ」の8番は、優勝、監督の胴上げを歌うパートである。
ほとんど「きまり文句」となっているが、表現が変更されたりしている場合があり、その内容を検討した。
なお、「ナゴヤドーム合唱編」(ド,ド04)は3番を対象とし、「選手別応援歌2008収録版」(応)は2番を対象とした。
「祈る気持ち」か「あの感激」か
「燃えよドラゴンズ」の8番では、皆が優勝を待っている事を歌うが、「祈る気持ち」で待っているのか、「あの感激」を待っているのかの2パターンがある。
- 「祈る気持ち」
- 25曲 :
74,
V2,
82,
87,
87B,
98,
99,
韓,
99V,
00,
02,
ド
04,
04ド,
05,
06,
06V,
07,
07V,
オ,
応,
08,
11,
14,
命
- 「あの感激」
- 3曲 :
77,
79,
H5
- その他・なし
- 12曲 :
88,
91A,
91C,
名,
名M,
球,
08球,
10,
10球
19,
19B,
21,
21球,
希,
24
「いいぞがんばれ」と「がんばれがんばれ」
「燃えよドラゴンズ」の曲の最後(8番の最後)は、サビの2回くりかえしで終わるが、歌詞に若干の違いがある。
-
74,
V2,
77,
79
がんばれがんばれドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
がんばれがんばれドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
-
82,
87,
87B,
88,
91A,
名,
91C,
H5,
98,
99,
韓,
99V,
00,
名M,
02,
ド,
04,
04ド,
05,
球,
06,
06V,
07,
07V,
応,
08,
10,
10球,
11,
14,
命.
19,
19B,
21,
21球,
希
いいぞがんばれドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
がんばれがんばれドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
-
08球
いいぞがんばれドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
V2 V2 ドラゴンズ 燃えよドラゴンズ
82以降は現在の形になった。
優勝記念盤
優勝した年は「優勝記念盤」がリリースされる場合がある。この場合は最後の8番は楽曲の〆になるので、特徴的な表現になる場合がある。
- 「燃えよドラゴンズ!99 優勝記念盤」(99V)
- 優勝記念盤独自の表現はなく、99と同じである。
- 「優勝記念盤 燃えよドラゴンズ!2006」(06V)
- 優勝記念盤という事で、表現が「〜願ってた」「〜待っていた」といった過去形となっている。また、胴上げが「オレ竜監督」ではなく「落合監督」となっている。
- 「燃えよドラゴンズ!2007 日本一記念盤」(07V)
- 「優勝記念盤 燃えよドラゴンズ!2006」同様、表現が過去形となっている事と、ナゴヤドームで日本一を決めた事を「願ってた」となっている。
- 「燃えよドラゴンズ!2011 連覇記念盤」(11)
- こちらも「優勝記念盤 燃えよドラゴンズ!2006」、「燃えよドラゴンズ!2007 日本一記念盤」同様に表現が過去形となっている。また、「連覇で勝ち取り日本一」となっている。
1974年は「燃えよドラゴンズ」がリリースされた年、1982年、1988年、2004年、2010年は記念盤のリリースはなかった。
2010年は、優勝決定時に10のリリースが発表され、その後制作されたが、優勝記念盤とはなっていない。
逆に、2011年は、連覇が現実味を帯びてきた優勝直前の時期に、連覇達成時に「連覇記念盤」としてリリースされる事が発表されたため、通常の「レギュラー燃えドラ」がリリースされていない事になる。
1番に関する傾向と対策
ぼくらは、どのようにしびれさせられるのか
「燃えよドラゴンズ」の1番は「遠い夜空にこだまする」の歌い出しが定番だが、「ぼくらを◯◯◯としびれさす」の表現について微妙に変化がある。
- じいん
- 74,V2,
77,82,
名,名M
- ジーン
- 79,87B,
応
- ジン
- 87,91C,
91A,H5
- じい〜ん
- 88
- じぃーん
- 98,99,
99V,
04,
07,
オ,
07V,
08,
08球,
10,
10球,
11
- じぃ〜ん
- 04ド,
05,
球,
06,
06V,
21球
- じ〜ん
- 00,
02,
ド,
14,
命,
19,
19B
- じーん
- 希,24
- なし
- 韓
いずれも、オリジナルのレコード、CDのジャケットや歌詞カードなどの記載を参考にした。
87Bは、「続山本正之作品大全集」のブックレット掲載分を採用した。
したがって、歌詞カード等の情報が存在しない 21 は調査対象から除外している。
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